ドイツで排水の水詰まりは、よくあるトラブルです。
ドイツの住居は古いものが多く、改装をしていても、配管は数十年前の物ということもあります。ですから、詰まっても不思議はありません。
しかし、海外生活で起こるこういうトラブルは、日本で起きたときよりも嫌な気分になりますね。中には、絶望的と感じる人も居るのではないでしょうか?
でも大丈夫です!どういう対処をしたら良いか、順番に見ていきましょう。
引越してすぐに気づいたら
引越しをした新居の排水が詰まっている場合、前に住んでいた人が原因です。
その場合、家主に修理の義務があります。引越して10日以内に、家主にその旨を連絡して下さいね!完全に詰まっていなくて、流れが悪いだけでも、遠慮せずに伝えましょう。
そうすると、家主側で現状の確認と職人の手配をしてくれることになります。費用を支払う必要はありません。
自分で詰まりを取り除く
さて、アパートに既に数年住んでいて、明らかに自分が原因だという場合はどうしましょうか?
とりあえずは自分で修理を試みることをおススメします!
方法は色々ありますが、ここでは主に物理的に詰まりを除く方法を説明します。
スッポン(ラバーカップ)
スッポンは『トイレの詰まりに使う』以外にも、かなり使えるモノです!普通の排水管でも効果があります。
誰にでも一番おすすめできるのは、このスッポンを使う方法かもしれません。
というのも、分解したり、ややこしい手順がなく、スッポン以外には工具も要らないからです。スッポンはAusgussreinigerやSaugglockeという名前で、ドラッグストアなどで5ユーロ程度で売っています。
使い方には、簡単なコツがあります。
排水口から3cmぐらい、水を溜めた状態で使うのです。スッポンと水面の間の空気が多いと、空気自体が圧縮・膨張してしまうので、力がうまく伝わらないのがその理由です。
つまり、水が溜まる程度に流れが悪くなってからでないと、この方法は使えないということでもあります。
また、2本以上の排水管が合流した先が詰まっている場合も難しいです。その場合には、スッポン2本使うなどの工夫をすると、上手くいくかもしれません。
自分で分解
流しの下など、簡単にS字管に手が届くのであれば、S字管を自分で分解してみると良いでしょう。詰まりの場所がさらに先の場合もありますが、外してみれば状況を確認できます。
もちろん、ウォーターポンププライヤー(↓ こんなモノ)など、工具は必要です。
ワイヤーブラシ
ワイヤーブラシ(Rohrreinigungsspirale)での洗浄は、職人さんもよく使う方法です。
職人さんは、電動式の強力なワイヤーブラシを使うのですが、普通ならば手動のワイヤーブラシでOKです。
ワイヤーブラシは、ホームセンターなどで売っています。いろいろな長さがあります。もちろん、詰まっている所まで届かないと意味はありません。
ワイヤーブラシは、途中にS字管があると、先に進まないこともあります。その時は、S字管が分解できるのなら分解し、そこからワイヤーブラシを入れます。
詰まりが多少解消されてきたら、少し水を流しながら、しばらくワイヤーブラシのハンドルを回し、配管の汚れが先に流れるようにしましょう。
排水溝が広く、ネジがあるタイプ
大抵の詰まりは上の方法で解消できるはずですが、難しいケースもあります。ここから先、自分で手に負えないと思ったら、職人さんを呼んでください。
古いアパートでは、よく下の写真のような排水溝を見かけます。
写真は、バスタブの下です。フタの真ん中の穴に、バスタブからの配管が通ります。
この写真は、バスタブが外れた状態で撮っていますが、普通は脇にある検査窓から確認できます。検査窓は大抵、マグネットで付いているだけなので、簡単に開けることができます。
こういうタイプの場合、フタの下に水面があるので、いくらバスタブの上でスッポンを使っても、意味がないのは明らかですね。
フタを開けてみましょう。ギャーッ!!
排水溝が鋳造製でサビサビです。ドイツの古いアパートでは、本当にこういうタイプが多いのですよ。新しいタイプでも、プラスチック製などで似たような形の排水溝があります。
こういうタイプの場合、スッポンもうまくはまらず、ワイヤーブラシも通りません。
その場合、左のネジを開けて、そこにワイヤーブラシを通します。ネジの部分は検査口なのです。ドイツ語で、Revisionsverschlussといいます。
上の写真の場合、ネジが真鍮製です。錆び付いて、回らない可能性があります。こうなると、ネジを壊すしかありません。賃貸ならば、家主さんに連絡をし、職人さんを呼びましょう。
排水管の洗浄剤を使う
市販の排水管の洗浄剤は、場合によってはかえって詰まりをひどくすることがあります。その上、強い薬剤は環境にも健康にも悪そうなのでお勧めできないのですが、職人さんを呼ぶ前の最終手段として試してみるのは手かもしれません。
バスルームで洗浄剤を使うなら、詰まりの場所に溜まるジェル状のもので、髪の毛を溶かすものを選びましょう。
ビオ素材で、環境にそれほど悪くなさそうなのがコレです。洗浄力が弱く、時間もかかるのですが、環境には優しいというタイプです。
そうでなくて、とにかく超強力なのを!と言うのであれば、コレですね。
ゴム手袋やマスク、ゴーグルで、完全防備する必要がありますが、使用者の評価が一番高い製品です。
どちらも、ネットよりも、スーパーやドラッグストアの方が安いと思います。その上、すぐ手に入るので、お店での購入がおススメです。
職人さんを呼ぶ
水詰まりの時、呼ぶ職人さんは配管工(Klempner)です。
電話帳で調べても良いのですが、周りの人に良い職人さんを知らないか尋ねてみましょう。良い職人さんなら、あっさりと問題を解決してくれるはずです。
欠点は、職人さんが来るまでに、数日待たなければいけないかもしれないことですね。ドイツではよくある話です。
また、賃貸でバスタブを外すとか、配管を交換するとか、大きな工事になりそうならば、家主や管理会社に連絡をしましょう。料金を自分で払う場合でも、報告の義務があります。
[blogcard url=”https://www.gelbeseiten.de/”]まとめ
おさらいです。
排水管の詰まりは、自分で解決できることが多いです。
自分で詰まりを取るなら、物理的な方法(スッポン・ワイヤーブラシ)がおすすめです。単純にスッポンやワイヤーブラシを使えないケースについても、いくつかやり方を書きました。
化学的な方法(市販の洗浄剤)はあまりおススメしませんが、環境に優しい製品もあります。
職人さんなら簡単に詰まりを除いてくれるはずです。場合によっては家主への連絡が必要になります。
以上です!
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