ドイツの歯の矯正についてのルールとあれこれ

歯

先日、歯列矯正についてツイッターで呟いたら反響がありました。皆さんの興味がある内容みたいですし、せっかくなのでここにまとめておきます!

この記事は、ドイツの歯列矯正に関する大まかな仕組みを理解する助けになることを目的としています。記事中、可能な限り正しい情報を書くように努めてはいますが、書いてある情報が正しいとは限りません。参考になりそうなドイツ語のリンクは貼ってありますので、詳細はそちらをご参照したり、専門家にご相談くださいね。

子供の矯正

多くの法定保険で18歳未満の子供の歯列矯正では治療費が下ります。ただし、歯並びの程度によって、下りるケースと下りないケースがあります。ざっくりと、審美的な改善を目的とするものには下りず、健康上必要と判断されるものは下りるという具合です。

具体的にはKIG(Kieferorthopädische Indikationsgruppen)という、5段階の歯並びの指標が使われます。KIG 1とKIG 2では歯列矯正は自己負担で、KIG 3~5は全額支払われます。KIG 2ではある程度医療上の必要性もあるのですが、法定保険では支払われません。具体的にどんな歯並びを指すかは、下のリンクをご覧ください。

KIG 3~5で保険会社に負担してもらえることになった場合、最初に20 %の額は両親が支払わなければなりません。矯正が無事終了すれば、その後に20%の負担額も受けとることができます。ただし、複数の子供が同時に矯正する場合、支払う額は10%で済むそうです。

保険が下りる場合、全額支払われるのは基本的な矯正にかかる金額のみです。例えば、目立たない白い矯正器具や特殊素材の矯正器具などを選択すると、そのオプション分は自己負担になります。

基本的には以上書いたようなルールのようですが、保険会社によって異なる部分もあるので、詳細は矯正歯科医と各保険会社にお尋ねくださいね。

下のVerbraucherzentraleのリンクとパンフレットのPDFは参考になると思います。とくにパンフレットの方は、保険負担以外の矯正についての情報も詳細に書かれているので、矯正を始める前に目を通しておくとよいでしょう。

[blogcard url=”https://www.kostenfalle-zahn.de/projekt-kostenfalle-zahn/kieferorthopaedie/kieferorthopaedie-bei-kindern-ist-kassenleistung-13434″] [blogcard url=”https://www.kostenfalle-zahn.de/sites/default/files/2018-01/3__Kieferorthop%C3%A4die-bei-Kindern.pdf”]

パンフレットにも書かれていますが、矯正歯科医によって、提案するプランや費用などが大きく異なる可能性もあります。セカンドオピニオンを聞くのは大抵は無料ですから(保険会社の負担)、複数の矯正歯科で相談して比較し、よい矯正歯科医を選ぶのがよいでしょう。

ツイッターでは、「保険が下りないと言った矯正歯科医と下りると言った矯正歯科医がいた」という体験談を教えてくださった方もいらっしゃいました。自己負担が発生するかしないかでは大違いですから、やはり比較するのがよさそうです。

大人の矯正

大人の歯列矯正は基本的に自己負担です。法定保険で治療費が下りるのは、手術が必要な酷い顎関節症などに伴う矯正の場合のみです。ただし、プライベート保険やZusatzversicherungなどではカバーされるケースもあります。個別の契約によるので、詳細は保険会社にお尋ねください。

矯正歯科医での初めての相談と診断の費用は、未成年の場合と同様に保険で下ります。ですから、やはり複数の矯正歯科医を訪問して相談するのがよさそうです。実際、私も矯正歯科医を訪問した際に、複数の歯科医で診断してもらって比較するとよいですよとアドバイスされました。

[blogcard url=”https://www.kostenfalle-zahn.de/projekt-kostenfalle-zahn/kieferorthopaedie/kosten-sicher-einschaetzen-mit-dem-kieferorthopaedischen-behandlungsplan-12862″]

また、矯正の種類などは日本と同じですし、詳しいサイトがたくさんあるので、矯正歯科医を訪れる前に予備知識として目を通しておくとよいと思います。

そもそも矯正が必要かどうか?

アメリカは歯並びで人物を判断されることがあるそうですが、ドイツでは完璧な歯並びは社会的には求められないという印象を個人的には持っています。以下のツイートで書いたところ、ドイツ在住の人達は概ね同意してくださったようです。

詳しくはスレッドにありますが、以下にざっと意見をまとめてみます。ほかにも何かあったらご意見をお聞かせくださいね。

経済力

  • ドイツではほとんどの人が子供のうちに保険で矯正を済ませているので、経済力と歯並びにさほどの相関性はない
  • それゆえ、歯並びでお金の有無の評価はしない
  • 容姿をつかう商売でない限り、仕事にも影響しない

歯並び

  • 子供のうちに一度矯正を済ませているお陰か、すごく歯並びが悪い人というのはいない
  • ただし、年齢を重ねて(親知らずが生えた影響で?)歯並びが崩れてきている人もいる
  • ガチャ歯は見かけないけれど、すきっ歯や出歯が多い

歯並びについての考え

  • 少し歯並びが悪いぐらいなら気にしない
  • 日本人によく見られるような八重歯やガチャ歯ぐらい歯並びが悪いと、概ね矯正する方がよいという意見
  • 嚙み合わせが悪いなど健康上の問題があるなら、矯正するべきと考える
  • 白さもさほど重要ではない

歯の健康

  • 見た目は気にしないが、定期的に歯垢取りに行くなど歯の健康にはすごく気を遣っている
  • 歯ブラシ、歯間ブラシ、歯磨き粉など口腔内を綺麗に維持する商品が豊富

こんな感じなので、ドイツに住む限りは、見た目のために何が何でも歯並びを完璧にせねば…!と考える必要はなさそうです。ドイツ人の意見にあわせるとしたら、健康上の理由があれば矯正するとよいという程度でしょうか。ご参考になれば何よりです!




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