ドイツ人主婦の洗濯機の使い方

洗濯機の使い方も、ドイツ生活を始めた日本人が戸惑うことです。

ドラム式が主流なのはともかく、洗剤を入れる所が分からなかったり、温度設定があったり・・・。一体、90℃の洗濯って何?!と誰もがビックリしますよね。

洗濯機が生まれる前、日本のお母さんたちは、井戸端で洗濯板を使い、冷たい水で手を真っ赤にしながら、洗濯物を洗っていました。

一方のドイツ主婦は、洗濯物をお湯でグツグツ煮ていたのですよ!洗濯機が一般家庭に普及したのは1960年代以降のことですから、それほど昔の話でもありません。

ドイツでは、月曜日が洗濯をする日(Waschtag)でした。日曜日の午後のうちに汚れ物を水に浸け始め、月曜日に大掛かりに洗濯をしたのです。

洗い場(Waschhaus, Waschküche)は、村なら川の傍に、集合住宅には地下室に共同のものがありました。各洗い場には、Waschkesselという洗濯物専用の大鍋があり、月曜日に洗濯に来た主婦たちが、これで洗濯物を煮て洗ったのです。

一度に洗う洗濯物は大鍋一杯の量で、なんと24kg!まず、洗濯物を煮て、落ちにくい汚れは洗濯板やブラシを使って落としました。そして、必要があればもう一度鍋で煮ます。その後、洗濯物は温水で濯ぎ、後から冷水で濯ぎをしました。白い物は、途中漂白して、念入りに濯ぎをするなど、別の手間が入ります。

これがドイツ式の洗濯です。

なぜこんな話を書いたかというと、ドイツの洗濯機と日本の洗濯機は違う発想で作られているからなのです。『洗濯物をグツグツ煮』の習慣を元に作られたのが、ドイツの洗濯機なのです。

これを理解すると、ドイツの洗濯機の使い方も理解しやすいかなと思います。そして、この記事を読んでいる皆さんは、ドイツに住んで、ドイツの洗濯機で洗濯しようとしているわけですから、実際にドイツ式の洗濯をした方が楽かもしれませんよ!

そういう訳で、ドイツ式の洗濯方法を紹介していきますね~!

分類して、とにかく溜める!

ドイツ主婦は洗濯は毎日なんてしません。せいぜい1週間に1回とかです。

昔の日本の洗濯は冷水を使っていたので、すぐ手が赤くなるし、こまめに洗濯しないとダメでした。先ほども書いたように、ドイツ主婦はグツグツ煮。まとめなくては損です。

できるだけ、一緒に洗う洗濯物が、洗濯機が一杯の量になるまで溜め込んでいきますよ~!

その分、洗濯をする日は、洗濯機を何回も回したりもします。„Ich habe heute zwei Waschmaschinen gewaschen.“ などという言い方を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。これは変な文章ですが、洗濯機を2個洗ったわけではなく、今日は洗濯機を2回かけたという意味です。

しかし、「洗濯物の分類」をして「洗濯機が一杯になるまで溜める」という事は、その分、着替えもたくさん必要です。大きな家族であれば、洗濯物も簡単に集まるかもしれませんが、一人暮らしだと洗濯機が一杯になるまでに何週間もかかるかもしれませんね。

ドイツ人は、一人暮らしの人もたくさん着替えを持っていて、溜め込んで洗う人が多いです。しかし、日本人にはこれは厳しいかもしれませんね。一緒に洗える物は一緒にしたり、臨機応変にやっていくしかないかもしれません。

分類方法

まずは洗濯物を徹底的に分類します。色や素材と、洗う温度で分けていきます。

色移りするものがあるので、「濃い色の物」「薄い色の物」は分けます。これは日本でも一緒ですね。特にジーンズなど色落ちをするものは、別に洗わなくてはいけません。

それから、「シーツ・タオル」など、綿素材で高い温度で洗えるもの、「繊細なもの」などに分けていきます。ウール素材のものなど、違う洗剤を使うものはもちろん別です。

分類の数や種類は、各家庭で持っている洗濯物の種類と量によって変わってきます。いろいろ試していただくしかないと思うのですが、ご参考までに我が家では大体、下のような分類で落ち着いています。

  • 色物の洋服
  • 色物のシーツとタオル
  • 綿素材の白い物(Tシャツなどの洋服やタオルなど)
  • Yシャツ・ブラウス

Yシャツとブラウスは、それほど汚れないし、日々洗い続けると傷みやすいので、繊細なもの用のプログラムを使っています。

溜める量

では、洗濯物はどのぐらいの量を溜められるのでしょうか?

ドイツの洗濯機が1回に洗える量は、kgで書かれています。最近の洗濯機は、6~7kgあたりが多いですね。古い洗濯機や、扉が上部にあるTopladerというタイプの洗濯機の場合は、4~5kgのものもあります。

この重さは、洗濯物の乾燥した状態での重さです。もちろん、詰め込み過ぎるのも良くないので、体重計などで一度測ってみると良いでしょう。このカゴが一杯になったらちょうど良い・・・などと目安ができると思います。

それから、綿や麻用の標準プログラムでは上の6~7kgで良いのですが、その他のプログラムでは、一度に洗える量が少ないことが多いです。必ず説明書をチェックしてくださいね!

プログラムについては、下で説明していきます。

洗濯機をかける

洗剤を入れる

まずは、洗剤を入れます。洗剤を入れる場所は、大抵の場合は左上の引き出しの中です。うちの洗濯機の場合、引き出しの中はこんな感じになっています。

写真の右から、

  • I:予洗い(Vorwäsche)用の洗剤を入れるところ
  • 花?マーク:柔軟剤(Weichspüler)・洗濯のり(Stärke)など
  • II:メインの洗剤入れ。硬水軟化剤(Enthärter)・漂白剤(Bleiche)なども一緒にここに

です。

我が家の場合は、基本的に予洗いしないし、柔軟剤も使わないので、一番左の『II』の洗剤入れしか使っていません。入れる洗剤の量は、洗剤のパッケージに書いてあります。

洗濯洗剤の選び方は、下の過去記事で書いています。

洗濯洗剤の種類と選び方
ドイツのドラッグストアやスーパーマーケットには、たくさんの洗濯洗剤が並んでいます。たくさんあり過ぎて、商品棚の前で立ち尽くしたことがあるのは、私だけではないでしょう。今回は、ドイツの洗濯洗剤の種類と選び方の話です。洗濯洗剤の種類洗濯洗剤の種類は大...

それから、ドイツでは硬水の地域が多いですね。カルゴンなどを洗剤と一緒に入れて、硬水を軟水化するのも忘れないようにしましょう。硬水対策については、こちらでどうぞ。

硬水対策いろいろ1 洗濯と水の硬度
ドイツでは硬水の地域が多いです。硬水とはカルシウム塩やマグネシウム塩を比較的多く含んでいる水のことです。日本ではほとんどの地域で軟水のはずです。事前知識のない状態でドイツに住み始めて、まずビックリするのがこの硬水ではないでしょうか?『緑茶を淹れた...

プログラムを選ぶ

具体的なプログラムは、お持ちの洗濯機によって違うので説明しきれませんが、大体下のプログラムの意味が分かれば、洗濯機を扱えるでしょう。

プログラム説明
Koch- und Buntwäsche
Baumwolle
比較的汚れている洗濯物用。綿・麻・ジーンズ素材・タオル・リネンなど、丈夫な素材に向いている。
Pflegeleicht上のプログラムより穏やか。ビスコース・ポリエステルなどの化繊(Synthetik)や混合素材に向いている。このプログラムを使うと、化繊の服が傷みにくい。
Feinwäsche
Fein/Seide
同じく穏やかで、さらに水量が多い。水を多く使うため、入る洗濯物の量は少ない。絹・サテン素材のものや繊細な服用のプログラム。
Wolle上のFeinwäscheと似ているが、繊維を休ませるための中断が多い。アンゴラ・アルパカ・羊毛など、動物のウール素材。
Einweichen/Vorwäsche浸け置き/予洗い
Schnell/Mix速いプログラム/混紡
Spülenすすぎ
Schleudern脱水 回転数を選べる機種が多い。大体、600~1400 U/minぐらい。
Abpumpen排水
Spülstoppすすぎが終わった時点で、脱水をせずに止まる

あとは温度設定ですが、洗濯機によって別に温度が選べるもの、プログラムで同時に選ぶものがあると思います。

温度は、最初のうちは30~40℃あたりを使っていれば良いでしょう。使っているうちに、食器拭き用の布や、赤ちゃんのもの、シーツなど、綿や麻素材で温度が高い方が良さそうなものが分かってくるでしょう。60℃~90℃で洗うと、煮沸消毒まではいかないものの高温で殺菌ができますし、染みついた汚れも落ちやすいです。

高い温度で洗濯すると衛生的には良いのですが、やはり生地は傷みやすいです。一長一短あるので、その時その時で使い分けると良いでしょう。

参考までに、我が家の上の分類でどんなプログラムを使っているか書いておきますね。

  • 色物の洋服: Schnell/Mix,40℃
  • 色物のシーツとタオル: Baumwolle,40℃(60℃も可能です)
  • 綿素材の白い物: Baumwolle,40℃(60℃~90℃も可能です)
  • Yシャツ・ブラウス: Fein/Seide,30℃

私が聞いた限りでは、年配の人は高い温度設定や予洗いをしている人が多いですが、若い人は面倒に感じて短いプログラムを使っている人が多い様ですよ。

プログラムを選んだら、あとはStartボタンを押して、洗濯機を回しましょう!

ドイツの洗濯機はやたら時間がかかる

洗濯機を使い始めて皆さん気づくのが、ドイツの洗濯機はやたら時間がかかるということですね。これまた本当に時間がかかるのです・・・。

それでもまだ、古い洗濯機は短時間で洗濯ができますが、最新の機種を買ったら2~3時間ぐらい平気でかかることもあります。

なぜかというと、EUでは家電製品に関するエネルギー使用量の指令があり、その影響なのです。電気屋さんなどで、こんなラベルを見たことがあるでしょう。EUではこのラベルの提示が義務付けられています。

上のA+++などというのはエネルギー使用量なのですが、洗濯機の場合は、左下に水の使用量が表示されています。各メーカーはこの水の使用量をできるだけ少なくするように努力しているわけですが、そうすると洗濯時間が長くなってしまうのです・・・。

ただ、これで水の使用量が減るのは良いのですが、洋服は傷みます。洋服が傷むのを避けたければ、時間を短縮するプログラムがあるので、それを使いましょう。もちろん、早く洗濯を済ませたい時も。

『環境に悪いことをしている』という罪悪感は感じる必要はないと思います。このラベルでは、『洋服が傷んだために新しく服を買い替える』ことによる環境影響なんて、考慮されていませんからね。
(実は私、別の製品ですが、この指令作成のための調査に下っ端として関わっていたことがあります。環境影響評価というのは難しいものですね・・・)

おわりに

実は、ドイツの洗濯機の使い方については、既に説明を書いているブログもたくさんあります。ですから、書く前にどういうアプローチをしたものか迷いました。

そして、結局、ドイツの洗濯機の特徴と、メーカーや型式に関わらず使えるような一般的な説明に留めました。この記事で使い方が分からなければ、具体的な説明を書かれているブログを探してみてくださいね。

またいずれ、洗濯機や冷蔵庫などの家電製品の選び方も書く予定です。お楽しみに~

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