60℃では洗濯されない洗濯機

洗濯機

以前の記事にも書きましたが、ドイツの洗濯機では温度設定ができます。日本人がドイツ生活で戸惑うことのひとつですね。しかし、ドイツの洗濯機にまつわる話はこれだけでは終わりません。

さらにドイツ人も戸惑う事実があるのです!

洗濯機にはメーカーや機種にもよりますが、30℃, 40℃, 60℃, 90℃などの温度設定が選べるプログラムがついています。

水温は表示よりも低い!

ところが、なんと60℃の設定で水温が60℃に達する洗濯機はないそうで…(下のStiftung Warentestのテストによる)。大抵はたった1度50℃に達した程度で終わり、一番ひどいのは44℃にしかならなかったそうです。

Wasch­maschinen Was die Wäsche kostet (06/2013)

いやいや、もう何を信じたらよいか分からない気分になりませんか??

メーカーはルールを守っている

実はこれ、 メーカーが表示のルールを破っているわけではなく、 EUのエネルギー消費に関する指令によるものなのです。

(ある意味、なおさら厄介ですけどね…)

水温を60℃に温度を上げると、洗濯機の消費エネルギーは40℃のときの約2倍になるのだそう。各メーカーは洗浄効果を保ったままエネルギー効率のA+++のラベルを取得するために、「温度を下げて、水の消費も減らして長時間洗う」という方法を取っているわけです。

ドイツの洗濯機を使うと、洗濯にやたら時間がかかるのはそういう理由です。

つまり、洗濯機に表示されている温度は、古い洗濯機で同じ温度を設定した時と同様の洗濯ができるというだけの意味なのですよ。

でも、60℃と書いてあったら60℃で洗っていると思うのが普通ですし、騙された気分になりませんか?LEDの電球に「60W相当の明るさ」と表示するのと同じようなやり方で、もう少し方法があったのではないかな…?と考えてしまいます。

ちなみに、衛生上の理由で細菌を殺す必要があるという時には、60℃以上の温度を一定時間保つ„Hygiene“などという名前のプログラムがある洗濯機もあるそうですよ。

Hygieneモードがない場合、綿用の60℃のままで「Ecoモードを外す」「洗濯時間が短いSpeedモードを選ぶ」などで60℃に達するようになる機種はあるようです(ただ、情報を説明書にも明記していないケースが大半の様ですが…)。

洗濯するときのエネルギー消費を減らすための真面目な話は、こちらが参考になるでしょう。

Weniger ist mehr beim Waschen – Umwelt Bundesamt

また、ドイツの洗濯機の使い方については、こちらの過去記事をどうぞ。




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