Rügenwalder Teewurstにお茶は入っていない

Rügenwalder Teewurst

ドイツには、理解がなかなか困難な名前の料理がある。Falscher Haseにウサギ肉が入っていなかったり、Tote Oma(死んだおばあちゃん)というかなり衝撃的な名前の料理があったり…。

Rügenwalder Teewurstも、Rügenwaldeという今はドイツにはない街の『お茶ソーセージ』という、ナゾのある名前だ。

Rügenwaldeという街

Rügenwaldeという街があった場所は今はポーランドの国土となっており、Darłowoという名前で呼ばれている。かつてのプロイセン王国の領土で、ヴァイマル共和政下を経て終戦の1945年まではドイツの領土だった。

Rügenwalder Teewurstは、先日紹介したKönigsberger Klopseと同様に、ドイツが失ってしまった土地の食べ物なのだ。(Königsberger Klopseについて調べてたらRügenwalder Teewurstの情報が出てきて、久しぶりに食べたくなったことで、この記事を書くことに繋がったのだけど…)

そもそもTeewurstとは…?

しかしTeewurstとは何だろうか?Teewurstにお茶は入っていないし、飲み物でもない。

Teewurstはひき肉に塩・胡椒とスパイスを混ぜて人工ケーシングに詰め、低温で燻製して作られる、加熱されていない生ソーセージの一種だ(https://de.wikipedia.org/wiki/Teewurst)。

これをTeewurstと呼ぶようになったのは、Rügenwaldeの街で1903年にRügenwalder Teewurstを作り始めた精肉店に由来があるそうだ。当時、午後にお茶を飲みつつソーセージをのせたパンを食べる習慣が一般的だったらしい。そこで「このソーセージが午後のお茶によく合うのでTeewurstと名付けた」そうで(https://www.ruegenwalder.de/unsere-geschichte)。これは力の抜ける理由かも…。

ちなみに、この精肉店は代々家族経営をしており、1945年にプロイセンに居た多くのドイツ人と同様に西側に逃れ、引き続きRügenwalder Mühleという企業を経営している。




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