お金と労力をかけないガーデニング1の続きです。
前回は
- 計画を立てる
- 土の性質を調べる
- 土壌改良
- 育てやすい植物を植える
ということを書きました。
今回は具体的にどんな植物を植えたらよいか紹介していきます!
日当たりをチェック
前回は土の状態をチェックして改善する方法を書きましたが、植物を植える前に庭の日当たりの状況を頭に入れておかないといけません。
新たに高さのある木を植えるのであれば、影を作るかもしれないので、そういうことも含めてチェックします。
植物は、日当たりのよい場所が好きなもの、日陰を好むもの、乾燥した所がすきなもの、水をたっぷり必要なものなど、色々あります。
適材適所で場所を決めていきます。
順番としては、大きくなる植物の場所を決めてから、その他の場所を決めていくとよいでしょうね。大きなお庭なら、見取り図を描いて植物の配置を決めていくとよいでしょう。
数年でかなり大きくなるはずなので、それを見越してあまり詰めすぎないようにしましょう。最初に植えた植物が小さくて、間が空いてスカスカしているような気がするなら、数年間は下草や1年草を植えるのもよいでしょう。
おすすめ植物
いよいよ、植物の紹介です!場所の決定方法とは逆なのですが、小さい植物から目的別に紹介していきます!大きな木を植えることができるお家はそんなに多くはないかなと思うので…。
複数の目的に使えるものもありますが、その辺は適当な分類ということでご了承くださいね。育てやすいという以外は単に私の好みの植物たちです。バルコニーなどで、鉢植えでも育つ植物も多いです。
芝生の代わりになるもの
前回、芝生はおすすめしないと書きましたが、芝生の代用として使える植物があります。芝生のようにサッカーするなど激しい使い方は無理かもしれませんが、上を歩いて踏まれても大丈夫な植物です。
雑草が生えるのも防ぐので、雑草を嫌がるご近所さんがいる場合は、土の表面が出ている場所はなるべくこういう植物で一杯にしてしまうのがよいかも。
Thymian(タイム)
日当たりを好み、乾燥には強いです。繁殖力も強い雑草キラー。ハーブとして食用にできます。
うちでは野生種のQuendelというのと、Sandthymianというのを植えてみましたが、どちらもワサワサと育っています。
踏み石の間などに植えるならば、高さがないSandthymianの方が向いていると思います。私はQuendelの方を収穫して料理に使っています。
Sternmoos(サギナ)
日陰でも育ちます。湿気を好みます。石の間に植えるのに向いています。写真のSternmoosも、来年にはすき間なく育つはず。
タイムよりも雑草との競争に負けやすいので、定期的に傍の雑草を抜く必要があります。
Fiederpolster
日本語名がわかりません。上の2つと同じような使い方ができます。日向を好み、乾燥にも強いです。
球根の植物が下から生えることができるそうなので、花壇の下草として植えました。むき出しの柔らかい土だと、近所のネコがトイレとして使ってしまうので、その対策です。
間を埋めてくれるもの
上で紹介した芝生の代用になる植物のように、上を歩くことはできませんが、むき出しの土をカバーしてくれる植物たちです。雑草を抜く手間を省きたければ、こういう植物を植えるのが一番。高さはおよそ20cm以下です。
Hauswurz(センペルビブム)
太陽光さえあれば、やたらとよく育つ多肉植物。雨が定期的に降るならば水やりも不要。うちでも増えすぎています…。
Golderdbeere
名前の通り、葉はイチゴによく似ていて、4~5月に黄色い花を咲かせます。
Immergrün(ヒメツルニチニチソウ)
私も一度は植えたのですが、何か好きになれなくて抜いてしまいました…。4~5月に花をつけます。毒もあり。
とは言え、この花だけでなく毒性のある植物というのはけっこうあります。小さなお子さんがいる場合には、毒性のない植物を植えるようにした方がよいでしょう。
Efeu(アイビー)
日本でもおなじみの植物。下草として使う他、壁を伝わらせたり様々な用途に。
西洋ハーブ
Lavendel(ラベンダー)
水はけのよい場所でさえあれば、育てやすい植物。
Salbei(セージ)
うちでは、今年の夏に他の植物を追いやる勢いで育ちました。
Frauenmantel(レディスマントル)
お茶にして飲むことができます。
他には、バジル(1年草)、オレガノ、ローズマリーを育てています。ローズマリーは冬越しのときには、保護してあげた方がよいそう。
他にも食用にできる草があるのですが、どちらかというと「食べられる野草」というカテゴリーなので、別の機会に紹介しますね。
目を惹く多年草
Staude(多年草)の中でも特徴のある形などで、私が気に入っているものを紹介します。前回も書きましたが、大事なのはwinterhart(冬越し可)のものを選ぶことです。
Prachtscharte(リアトリス)
7~9月に咲きます。けっこう長々と咲いています。
Kugeldistel(ヒゴタイ)
丸い青い花が特徴。一番上のアイキャッチ画像のアリウムもそうですが、きれいな丸い形になるのが面白くて好きです。
Glockenblume(モモノハギキョウ)
紛らわしいことに、ドイツ語でGlockenblumeという名の植物はいくつかあるみたいです。これは高さが1mぐらいになります。
Rittersporn(デルフィニウム)
同じく高さ1mぐらい。青い花をつけるものの方が出回っているかもしれません。
Prachtspiere
日陰で育つ花。去年の秋にもらってきて植えました。もっと増えていくらしいです。
野の花のタネ
いろいろな事情で日当たりなどの環境が変わるかもしれない場所に、どれか適応する花が育つだろうと、この野草のタネを蒔きました。1年草と多年草が混じっています。これが2年目になって見事に咲き誇りました。飛んでくるタネも混じりますし、3年目以降はどうなるか分かりませんが…。
こういう様々なタネが入っているものも利用するとよいですね。
他にも、Bergminze、Katzenminze(本当にネコが寄ってきます!)などのミント系はおすすめです。丈夫だし、種を落として勝手に増えていくので、増えすぎない心配をした方がよいぐらい。セージの中でも食用ではないZiersalbeiも、終わった花を根元から切っていれば、次々に花を咲かせるのでおすすめ。
早春の花
夏に咲く花はたくさんありますが、早春と秋に咲く花はそれほどはないもの。適当に植物を植えていると、彩りがない季節があって寂しく感じるかもしれません。様々な季節に咲く花を選んでおくとよいでしょう。
Schneeglöckchen(スノードロップ)
春というよりも、2月のまだ雪があるような時期に咲きはじめる花。秋に球根を植えておけば勝手に育ちます。手間がかかりません。
Krokus(クロッカス)
ドイツ人にとって、春が来た象徴ともいえる花。2月から咲きはじめます。種類によっては4月頃に咲くものも。
Große Sternhyazinthe(チオノドクサ)
ヒアシンス科の植物です。3~4月に咲きます。球根。道端でも咲いているぐらいなので、増えすぎない心配をした方がよいかも。
Bergenie(ヒマラヤユキノシタ)
ヒマラヤ山脈原産ですが、ドイツでもよく育つ植物。4~5月にピンクの花を咲かせます。多くの植物が葉をつけてない時期に咲いていました。
Blaukissen(ムラサキナズナ)
4~5月に咲く花。他の花が咲きはじめるまで、咲き続けている感じです。高さのある所から垂らすような咲かせ方が素敵かも。
秋を彩る花
Sonnenhut(ルドベキア・フルギダ)
Sonnenhutというと、この黄色い花と紫色のムラサキバレンギクとがあります。どちらも育てやすく似ていますが違う植物。黄色い方は、半日蔭でも育ち、8月から10月にかけて花を咲かせます。
Federborstengras(チカラシバ)
これを「花」と紹介するのは違うかもしれませんね。Chinaschilf(ススキ)やPampasgras(シロガネヨシ)などとともに育てやすく、庭に変化をつけてくれます。9~10月に円筒形の花をつけます。
冬はそのままにしておけるので、他の花が全く咲かない時期にも、ちょっとしたアクセントになります。春になってから地面から10cmぐらいの高さで切り落とします。
Heide(エリカ)
様々な種類があります。7~9月に咲くものが多いですが、中には12~3月に咲くものも。水やりも少なめで大丈夫です。
Herbstaster
晩夏から秋にかけて咲く、紫やピンクの花です。
食べられる実をつける植物
今のところ我が家では場所の関係でイチゴしか育てていないのですが、今後は別のものを育てたいなと思っています。
Brombeere(ブラックベリー)
収穫後に枝を切る必要がありますが、それ以外は手間いらずです。Stachelbeere(セイヨウスグリ)、Himbeere(ラズベリー)などの他のベリーもよいですね。
Erdbeere(イチゴ)
水やりはきちんとしないといけないので、若干手間はかかります。うちでも育てていますが、今年はよい天気のお陰か、次々と美味しいイチゴをつけました。
Apfel(リンゴ)
ドイツで庭に植えて、放っておいても(剪定は必要ですが)実をつける木の代表がリンゴでしょうか。他にも、プラムや桃、サクランボなど、様々な木を植えているお宅がありますね。ただ、本当に大きくなるので、よく考えてから植えた方がよいですね。
小ぶりの木
Fächer-Ahorn(イロハモミジ)
日本の木ですが、ドイツでもちゃんと育ちます。ドイツでは日本に較べて、育つスピードがすごく遅いのだそう。なので数十年後にはすごく大きくなる可能性も。
日本的なものといえば、ドイツで小さな竹も育ちます。和風の庭にしたいときに使えますし、目隠しにもなります。根止めをしないといけない種類もあるので気をつけて。
Flieder(ライラック)
ドイツでは愛されている花で、あちこちで見かけます。花には香りがあります。ゆるい目隠しにも。Zwergfliederという1.5mぐらいの高さの低いものもあるので、状況に合わせて選ぶとよいかも。
植物のお手入れ方法の話に続きます!
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