私事なのですが、2年前に引越しをしてから庭として使える小さなスペースができました。今までバルコニーでしか植物を育てていなかったのに、大丈夫かな??と心配しつつも、せっかくなので植物を育ててみることに。
ただ、毎日水やりとか、手入れとか、面倒くさい。こまめに植え替えて、綺麗に咲いているお花をキープ!とか、ハッキリ言って無理…。
…なので、なるべくお金と労力をかけないというモットーでガーデニングをする事にしました。
そんな風にガーデナーとして最低のモチベーションだったわけですが、2年経って胸を張って大成功したと言える状態になりました!じゃーん!
初夏にはさまざまな花が咲き誇り、ご近所さんや訪れた人に「土に何か特別なことをしたの??」と聞かれたり、植物の名前や育て方についてあれこれ質問されるようになりました。
プロからみたらきっと笑われる、いい加減なガーデニングなのですが、ドイツに住んでいる日本人の多くが目指しているお庭もそういうものなのではないでしょうか?
ドイツで通りに面したお庭やバルコニーがあると、綺麗にしていないといけないプレッシャーがあったりしますしね。でも、仕事や遊びや家事など他の事に取られる時間があって、庭にかけてる時間などあまりないという方がほとんどではないでしょうか。
そういう方たちのために、私が理解した限りで、手間のかからないガーデニングのポイントを紹介していきますよ!
まずは計画
庭に植物を植えるとなったら、いきなり植えずに冬の間に計画するのが基本…らしいです。私は結局、きちんとした計画は立てませんでしたが、やみくもに植え始めるよりも、まず考えるというのは大事ですね。
私が参考にしたのはこの2冊です。あとは、疑問に思った事は何でもネットで調べます。
この本は「世話のしやすい庭」というタイトル通り、まさに私のようなズボラな人間のためにある本でした!
土をよい状態にする、雑草が生えにくい環境を作る、育てやすい植物の紹介などと、理想的な「手間のかからない庭」を作るためのコツが書いてあります。
ちなみにこの本によると、芝生は手間がかかるのでおすすめしない!そう。
うちも芝生スペースがあるのですが、雑草が生えるので抜いたり、芝刈り、水遣りなど、やる事は多いですね。正直、単なる草地にしてしまいたいぐらいです。
あとは、最初に土の状態を知り、それに応じた対策をするというアドバイスも。これは後述しますが、とても役に立ちました!
そして下の小さな庭向けの本は、小さな庭を大きく見せるテクニック的なことも書いてありますが、植物とその他の素材のレイアウトやアレンジの方法をふんだんに紹介してあるのが良かったです。
上の「冬の間に計画するのが基本…」というのはこの本に書いてあった言葉ですが、さらに後から変更しなくて済むように、計画はしっかり立てるべきともありました。
しかし我が家の場合、敷地内の使用権の関係で使えるスペースが変わる可能性があるので、きちんと計画はできませんでした。実際、予想外の植物を頂いたり、植物が大きくなりすぎたり、あまり育たなかったりして、計画通りに進む状態でもなかったのですが。
それでも上記の本で、好みの植物や、どういう庭がよいかという具体的なイメージを膨らますことができたのは良かったです。お陰で、実際に植物を選ぶ時に迷うことはほとんどありませんでした。
土を知り、対策を練る
庭の土がどういう状態なのかをチェックして、それに応じて対策を練ります。
粘土・砂・腐葉土がバランスよく混じっていて、水持ち・水はけがよく、養分を含んだ土が理想なのだそうです。土を団子にして、崩れるかどうかを見るなど、チェック方法があるみたいです。
ただ、うちの庭の土はどう見ても砂なので、こういうチェックはしませんでした。ベルリンの辺りはMärkischer Sandbodenと呼ばれる砂地の土地です。
とくに、うちの庭は自分で敷石を剥がしたので、以前に誰も庭として使っておらず、何も加わっていないスペース。ですから、砂地で養分がほとんどない、なかなか難しそうな環境です。
本によると、そんな場合、
- 土を総入れ替えする
- 土壌改良をする
- 土に合った植物を植える
といった方法があるそう。土の総入れ替えは、ドイツの友人・知人の間でよく聞く話なのですが、それは私の理想とは違うのでしませんでした。砂をどこかに運ぶというのも大掛かりですしね。「それじゃ、植物が育たないよ」と、夫は不満そうでしたが…。
その代わりに、2番目と3番目の「土壌改良」と「土に合った植物を植える」方法を中心にやっていくことにしました。
あとはpHのチェックと調整もありますね。これは植物に合わせた微調整をすることかなと理解したので、後回しにすることにしました。
土壌改良
土に混ぜる
まずは、保水力と水はけを調整します。
水はけはバッチリの砂地に、ベントナイトという粘土を漉き込みました。これは、砂だと流れてしまう水分と栄養分を土の中に保ってくれるのだそう。逆に水はけの悪い土地の場合は、砂を混ぜたりするのだとか。
あとは、高さの調整も兼ねて、石を剥がした高さ分(約10㎝)の腐葉土を入れました。これで若干の養分が加わったことになります。周囲の人は皆揃って「そんな量の土では植物は育たない」と言っていましたが、理論武装してけっこう自信があったので、そのままゴリ押しです(笑)。
あとは、土を柔らかくするために深く掘り返したり、耕すことは、あえてしませんでした。「微生物のために土の構造を壊さない方がよい」というような話を読んだのが理由です。でも、元は不毛な土地で微生物もミミズもほとんど居なそうでしたし、あまり意味はなかったかもしれません。
緑肥を使う
それから、1年目はGründüngung(緑肥)と呼ばれる、土壌改良してくれる植物を積極的に植えました。
緑肥は、土の表面を覆うように育てることで雑草が生えにくくなるし、地中深くに根を伸ばして土を柔らかくし、空気中の窒素を集めて土中に貯め、最後にはコンポストとして土に返すことができるという、一石二鳥どころか、三鳥も四鳥もしてくれる植物たちです。
緑肥はいろいろな種類が売られていますが、私はその中でLupine(ルピナス)、 Studentenblume(マリーゴールド)、Serradella(オルニソプス・サティヴス)を使いました。種を蒔いておくと勝手に育ちます。種を蒔いてすぐの時期と、乾燥している時期に水遣りをした他は、そのまま放置していただけです。
腐葉土とバークチップ
あとは寒さ対策も兼ねて、秋に樹皮でできたRindenmulch(バークチップ)を敷き詰めたり、植え替え時などに義実家のコンポストでできた土や、ホームセンターで買ってきた腐葉土を加えたりはしました。
肥料はあげていません。
ちなみにバークチップは、土がむき出しにならないので、保水効果があるし、雑草も抑えるのでよいですよ!植物がまだ育っていなくて、スカスカで地面が見えているような時にも、見た目をよくする効果もあります。
育てやすい植物を植える
あとは育てやすい植物を植えていきます!種から育てた方が安くは済みますが、状況に応じて種、苗のどちらを選んでもよいと思います。
ここで「労力をかけないガーデニング」をするために大事なのは、
育てやすい植物=土地と気候に合った植物
ということ。
つまり、ドイツなら日本庭園を造ろうとするよりも、ドイツらしい庭を目指した方が、初心者は成功しやすいということです。ここで自生しているような植物を選べば、なおのこと手入れは簡単です。
しかも、土地に合った植物は、アジア原産の植物などよりも圧倒的に安いのです!苗木屋さんも育てるのに手間をかけないで済むから、考えてみれば当然ですね。
土地の植物の蜜は、地域にいるハチや蝶などの虫たちも好みます。安くて手間がかからない上に、環境保護にも貢献するという、またまたお得なお話なわけです。
例えば、ベルリンのような砂地ならば、ラベンダーやセージ、オレガノなど、養分少なめで乾燥した土地を好むハーブとは相性が良いです。
あとは私のおすすめは、winterhart(冬越し可)のStaude(多年草)です!お店で選ぶならば、そう書いてある植物を買いましょう。というのも、屋外で冬越しができない植物は、冬に屋内に移動しなくてはいけないですし、そうすると環境の変化で病気になったりと、何かと面倒だからです。
長くなってきたので、次回に続きます。
次回は具体的におすすめの植物を紹介していきますね!
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