ドイツの保険一覧 種類・加入の義務・その他の情報

今日は保険の話です。

ドイツの保険は日本の保険システムと似ています。それでも、名前を聞いただけでは、イメージが沸かない保険もありますね。

どんな保険があるのか、紹介していきます。

社会保険(Sozialversicherung)

社会保険は、日本でもそうですが、疾病、失業、老後、介護、事故などのリスクに備える社会保障の仕組みです。

ドイツでは、被雇用者は必ず加入する義務があります。被雇用者と雇用主がほぼ半額ずつ支払います。被雇用者の場合は、雇用主側で主な加入の手続きをしてもらえるので、社会保険の内容をざっと理解しておけば良いでしょう。

社会保険に加入すると、社会保険証明書(Sozialversicherungsausweis)というものが送られてきます。これは大事に保管してくださいね!新しい職に就いたときや失業保険の申請時などに必要となる証明書です。

以前は、建築・物流・飲食・清掃など一部の業種では就業中、この証明書に写真を貼り付けて携帯することが義務付けられていましたが、2009年からその義務がなくなりました。それに合わせて、証明書の写真の貼付欄もなくなったようですね。

とは言え、上記の業種では不法労働が多いので、今でも抜き打ち検査は行われています。特に仕事のときは、パスポートなどの身分証明書の携帯は必須です。

健康保険(Krankenversicherung)

健康保険は病気のとき、それから妊娠・出産のときの金銭的負担を減らす保険です。基本的な治療に関しては、全額カバーされます。法定健康保険であれば、収入の少ない配偶者、子供などの扶養家族も無料で一緒に加入できます。

現在は、健康保険の加入は、ドイツに住むすべての人に義務付けられています。

下の過去記事で詳しく紹介しています。
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年金保険(Rentenversicherung)

年金保険は老後の生活を保障する保険です。基本的に、一定の年齢(現在は65歳)を越してから年金の受給ができます。

怪我や病気などの障害があって仕事ができない場合には、上の年齢に達しなくても受給できます。また、加入者が亡くなっている場合は、配偶者と27歳に満たない就学中・職業訓練中の子供に受給の権利があります。

被雇用者の年金は、Deutsche Rentenversicherung(年金機構のような組織)で管理されています。

この公的な年金保険に加えて、民間の年金保険に加入することも可能です。

また、日本とドイツの間では、『日独社会保障協定』というものが結ばれています。ドイツと日本で支払った年金を統合して、受給することができます。これに関しては、また改めて説明しますね。

介護保険(Pflegeversicherung)

心身に何か問題があって、介護が必要になった場合に、日常生活に必要な介護を受けられます。健康保険とは別の、独立した社会保険となっています。

失業保険(Arbeitslosenversicherung)

一定期間以上の保険料を支払い、その後失業した場合には、失業保険を受給することができます。

Arbeitsagentur(職業安定所)で受給を申請します。職業の斡旋もしてもらえます。

労災保険(Unfallversicherung)

Unfallversicherung」という名前の直訳は「事故保険」ですが、社会保険の「Unfallversicherung」は、「労災保険」を意味します。就業中に起きた事故、労働が原因でなった病気などの場合に、労災保険の給付がされます。

自由加入の保険(freiwillige Versicherung)

上で紹介した社会保険以外にも、個人が自由に加入できる民間の保険があります。どの保険に入ったら良いかというのは、個々のケースによるでしょうし、私は専門家ではないのでアドバイスはできません。

ですので、ここでは主な保険にどういうものがあるかを、ざっと簡単に紹介するのみにとどめておきます。

賠償責任保険(Haftpflichtversicherung)

他の人の所有物を、うっかり間違えて壊したり、傷つけたりしたときのための保険です。例えば、よそのお宅にお邪魔した時に高価な花瓶を割ってしまったという場合などに適用されます。

家財保険(Hausratversicherung)

家財保険は、泥棒が家に入った場合などに、失った家財の補償をするものです。当然ながら、保険料は持っている家財の価値で決められます。

職務不能保険(Berufsunfähigkeitsversicherung)

Berufsunfähigkeitsversicherungは、「障害年金保険」「高度障害保険」などとも訳されていますね。

事故や病気で就業が難しくなったときに、年金が受給できる保険です。上で紹介した、社会保険中の年金保険で基本的な部分は保障されるので、更なる保障を望むときに加入します。

訴訟保険(Rechtsschutzversicherung)

訴訟になった場合のコストを補償する保険です。ただし、全ての訴訟で適応されるわけではないので、訴訟保険について、予め消費者センター(Verbraucherzentrale)などで相談をすると良いでしょう。

生命保険(Lebensversicherung)

死亡をしたときに家族がお金を受け取れる「Risiko-Lebensversicherung」と、将来積み立てたお金を受給できる「Kapital-Lebensversicherung」などがあります。日本でもそうですが、これらを組み合わせたものが多いのではないでしょうか。

おわりに

今回は保険の全体像を示したかったので、保険の種類を駆け足で紹介する形にしました。少しは理解の助けになったでしょうか?

ドイツの保険の知識でまず大事なのは、強制加入の保険と自由加入の保険の区別ができることでしょう。その上で、今加入している保険で何が保障されるのか、きちんと理解することです。

自由加入の保険は、個々のさらなるリスクマネジメントの分野です。それぞれの財産・年齢・生涯設計などによって、加入するかしないか、検討されると良いのではないかと思います。




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