ドイツで自転車の盗難対策

ドイツでは自転車の盗難は頻繁に起こっています。

2018年の警察による犯罪統計(Polizeiliche Kriminalstatistik)によると、1日あたり約800台、1年では約30万台もの自転車が盗まれているそう。そのうち、持ち主の元に返ってくる自転車はたった10%程度なのだとか。

転売を目的とした組織的な犯罪も広まっており、自転車を盗む手口も巧妙です。 近年は全体的な盗難件数は減少しているものの、とくに高価な電動自転車(E-Bikes)を狙った盗難が増えているそう。

大事な自転車が盗難されないように、予防策を講じることは必須です。ここでは、自転車盗難の予防策と、万が一盗まれてしまった場合の対処法を説明していきます。

盗難を予防する6つの方法

1.頑丈な錠を使う

まずは、壊されにくい頑丈な錠を使うことが大事。ABUSというメーカーがドイツでは有名です。

お店に行くと、あまりに多くの錠が売られているので、どれを買うべきか迷ってしまいますが、一般的に自転車の購入価格の10%ぐらいの価格のものを買うとよいそうです。

タイプごとの特徴を以下に挙げてみます。

U字型ロック(Bügelschloss)

U字型の特殊鋼でできた錠です。街灯にも固定できるよう、幅のあるものを選ぶのがよいでしょう。大抵、走行中にフレームに固定できるホルダーもセットで売られています。

チェーンロック(Kettenschloss)

頑丈な鎖でできたこのタイプは、固定する場所に合わせてフレキシブルに動かせるのが特徴。U字型のものよりも、停める場所を見つけやすいでしょう。ただし、頑丈なものはとても重くてかさばるのが欠点。

ブレードロック(Faltschloss)

この折り畳み式の錠は、比較的新しく出てきたタイプです。チェーンロックと同様フレキシブルですが、さらに軽くてコンパクトなのが特徴最近は改良が進み、安全性も高いのでおすすめです。短いと固定できる場所が限られてしまうので、十分な長さのあるものを選ぶとよいでしょう。

ワイヤーロック(Kabelschloss)

ワイヤーロックは鋼索でできていて、日本でもよく見かけるタイプ。こちらでは、らせん状になっているものが多いです。軽くてフレキシブルでコンパクトですが、ほかのタイプの錠に較べると安全性は劣ります。頑丈な錠を使った上で、さらに車輪をフレームに固定するときに使うなど、さらに安全性を高めるために使うのはよいかもしれません。

2.自転車を停める時は、移動できない物に固定

自転車にただ鍵をかけるだけでなく、必ず錠を駐輪用のバーや街灯などに絡めて、鍵がかかったまま自転車ごと持っていかれないようにします。短時間の駐輪でも面倒臭がらずにしっかり停めましょう。パン屋さんでパンを買っている間に、店の前に停めた自転車が失くなっていた・・・というのはよく聞く話です。

3.錠は前輪・後輪だけにかけず、必ずフレームを通す

錠をフレームにかけるだけでなく、可能なら上の写真の様にフレームと車輪の両方に通します。特に車軸がクイックレバー(Schnellspanner)式のものは、一瞬で車輪を外されてしまうので錠を通しておくべき。前輪の方が後輪よりも外しやすいので、前輪が優先です。

私の自転車は、前輪・後輪とサドルにPitlockという物が付いていて、特殊なアタッチメントがないと外せないようになっています。これのお陰で、錠前をフレームだけや車輪だけに通しても、盗難の心配がそれほどありません。前の所有者が付けておいてくれたのですが、とても重宝しています。

4.駐輪する場所にも気をつける

人通りのない寂しい場所や、見通しの悪い所は避けましょう。盗む人にしてみれば、人目につかないと都合が良いのは明らか。自宅で駐輪する時は可能な限り、地下室など住人以外が入りにくい場所に停めましょう。

5.自転車用認識コードを発行してもらう

自転車用認識コード(Fahrradcodierung)は、自動車のナンバープレートの様な役割で、番号から持ち主の住所を割り出せるようになっています。コードはシール状のタイプと、フレームに番号を彫るタイプがあります。自転車販売店、警察、ADFC(ドイツ自転車連盟)などで、15ユーロ程度で発行してもらえます。

このコードが付いていると転売が難しくなるので、それだけで自転車が盗まれにくくなるそうです。

Fahrradcodierung

Fahrradcodierung als Diebstahlschutz. Diese Methode wird von der Polizei und vom ADFC empfohlen und bietet einen wirksamen Schutz gegen Fahrraddiebstahl.

ADFC – Fahrrad-Codierung

Wer sein Fahrrad codieren lässt, macht Langfingern das Leben schwer. Denn ohne Eigentumsnachweis kommen sie mit dem zweirädrigen Diebesgut nicht weit: Die Codierung zeigt sofort, wer der Eigentümer des geklauten Rads ist.

6.自転車の情報を控えておく

あらかじめ、自転車のフレーム番号(Rahmennummer)、認識コード(Fahrradcodierung)、メーカー、色やその他の特徴を控えておくと、自転車が失くなった時にすぐに届けを出すことができます。早めの対応で、転売を防ぐ可能性が高まります。

自転車の特徴は、記入事項がまとめてあるFahrradpassというものに記入をするのが簡単です。

また、スマートフォン用のFahrradpassアプリもあります。このアプリで、上の情報のほか、自分の連絡先や自転車の写真などをまとめておけば、いざという時にその場で簡単に警察や保険会社に情報を送ることができます。

もし自転車を盗まれてしまったら・・・

組織的な転売目的の盗難の場合は、あっという間に外国に自転車を持ち出されてしまう事もあります。ですから、盗まれたと分かったら、素早く対処することが必要。

警察に届けを出すのと同時に、盗難にあった自転車を専用のインターネットサイトに登録するのも手です。盗まれた自転車の特徴やフレーム番号など、必要な情報を入力します。あらかじめ、フレーム番号を控えておくことは大事ですね。

Radklau.org – de

Sie können bei uns kostenlos nach gestohlenen Fahrrädern suchen oder einen Diebstahl melden. Sie können ihr Fahrrad auch präventiv registrieren.

上のサイトのうち、Radklau.orgの方は、自転車が盗まれていない段階でもデータを登録が可能。Fahrradpassと同様の盗難予防策としても使えます。

小さい町であれば、自転車を探している旨を、掲示板などに貼り出すのも効果があるでしょう。




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