厳しい冬に温もりを。暖炉の使い方

ドイツでは暖炉が入っている住宅もしばしば見かけます。

「暖炉がある部屋素敵!」
「かっこいい!」

とは思うものの、いざ暖炉のあるお家に住むことになったら、

「暖炉を使うのは怖い・・・」
「火をどう点けたら良いか分からない・・・」
「火を点けたけど、すぐ消えて温まらない・・・」

などとなって、結局使わない人も多いかもしれません。

でも、せっかく暖炉があるのに使わないのはもったいないですよね。暗く厳しい冬のドイツで、暖炉の火で暖まるのは最高の贅沢です。

暖炉を使うのは想像しているよりきっと簡単ですから、ぜひチャレンジしてみましょう!

用意するもの

薪用の木材

最初は、ホームセンターかスーパー、ガソリンスタンドなどで買うのが手っ取り早いでしょう。手で持てるようなサイズの袋に入った木が売られています。

本格的に使いそうだと分かったら、大量の木をまとめて買うのも手です。同じく、ホームセンターやガソリンスタンドなどで買えますが、郊外から暖炉用の木を安く届けてくれる業者もありますよ。いずれにしても、すぐに使うなら、十分に乾燥した木を買うことが大事です。そうでない場合は屋外で、数年乾燥させます。

他にも知り合いの家具職人に余っている木を譲ってもらうという手もあります。うちは義弟が造園業をしていて、切り取った木材を集めてくれています。あとは工作で余った木材を燃やすこともあります。

しかし、公園や森から無断で木を取ってくるのはアウトです!(伐採用のライセンスがあれば大丈夫な場所もあります。)同じく、嵐の後に道に落ちている枝を拾ってくるのもダメです。これに関して面白い記事を見つけたので、興味のある方はご覧ください。

Darf man Stämme und Äste mitnehmen?
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他にも、木材の削り屑などを押し固めてブロック状にしたブリケットや、褐炭などを燃料として使う場合もありますが、今回は普通の木材だけを紹介しますね。

着火用の細い木

これは最初に着火するときに使います。木材を自分で細くしても良いのですが、買うのが手っ取り早いでしょう。Anfeuerholz, Anzündholz, Anmachholzなどという名前です。

着火剤

着火剤にはサイコロ型・板チョコ型など色々なタイプのものがあります。我が家では最近はAnzündwolleと呼ばれる、ワックスに漬け込んだ、細くて長い鉋屑のような木を丸めたものを使っています。天然素材なのが安心です。

昔ながらの方法ですと新聞紙などを丸めて入れたくなるところですが、環境的視点から新聞紙やチラシなどは燃やしてはいけません

マッチ・ライターなど

手持ちのマッチやライターで十分ですが、長さのある暖炉着火用のマッチや、チャッカマンのようなライターも便利です。

暖炉用の道具

暖炉用の道具(Kaminbesteck)は無理に買わなくても別のもので代用できますが、雰囲気もありますし、欲しければ買うとよいでしょう。

道具には『スコップ』『火かき棒』『灰かき棒』『火ばさみ』『ほうき』などがありますが、下のような3点セットでも十分でしょう。

騎士が背負っているタイプもよく見かけますね。でも、なぜ騎士なのでしょうね…?

暖炉の種類

暖炉の使い方に入る前に、簡単に暖炉の種類について説明しておきましょう。

ドイツで一般的にKaminと呼ばれるのは、建物の壁に一体している暖炉です。木を燃やす場所がオープンなものと扉がついているものがあります。

Ofenと呼ばれるのは、ほとんどが扉付きで部屋の中に置くタイプのものです。ホームセンターなどで売られているのはこのタイプで、ガラス製の扉がついていることが多いですね。

上の定義だと陶器製のタイルが貼ってあるKachelofenは、部屋に固定してあることが多いのでKaminと呼ばれそうなのですが、名前の通りこれもOfenです。Kachelofenについては、Chika Kietzmannさんの書いてるこの記事をご覧ください。

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暖炉の使い方

では暖炉を使っていきましょう!暖炉によって使い方が多少違うかもしれませんが、基本は同じです。

薪を並べる

まずは木を並べます。ここでも昔ながらの方法で円錐状に組みたくなるところですが、今は積み重ねるべきと言われています。しかも、下から上ではなく、上から下に火が広がるようにします。その方が発生する煙が少ないのが理由です。

写真のように下に太めの木を並べ、上に細い木と着火用の木を載せます。写真では見えませんが、着火剤は着火用の木の下に置きます。

火を点ける

空気穴のレバーがある場合は、解放します。うちの暖炉では、写真のように下の灰受けの引き出しにレバーが付いています。Z, H, Aと謎の文字が書いてありますが、左からZu(閉)、Heizen(暖房)、 Anzünden(点火)の略だと思われます。うちの暖炉ではレバーをAの位置にします。

いよいよ点火です!着火剤に火を点けると、火が徐々に燃え移っていきます。

暖房モードにする

30分以上待つと、最初に入れた木がほぼ炭となって炎が収まり、赤く燃える炭火になります。そうしたら、空気穴を小さくして(Hの位置)、新しい薪を上に載せます。

このとき、暖炉の中が十分に暖まっていることが大事です。言葉では説明しにくいですが、何回かやるうちにどの程度が十分な暖まり方か分かってくると思います。

暖炉が十分に暖まっていない場合は、燃えやすい細めの木を足し、空気穴は小さくせず炎が上がるようにします。

同じように木を並べていても燃え方は毎回違うものです。色々な要素がありますが、木の種類や大きさ、含んでいる水分量もそうですし、外気温にも左右されます。外の気温が比較的暖かい場合は、上昇気流の力が弱く、吸い込む新しい空気の量が少なくなり、木がなかなか燃えず苦労するかもしれません。

そんな時は、灰を落としたり、薪の位置や向きを変えたり、薪をくべたり、空気穴を調整したり・・・と、いろいろと工夫してみてくださいね。何事も経験です!

火の点け方のビデオもたくさん公開されていますから、見るのも良いでしょう。

暖炉を使い終える

暖炉の中の木は、炭になってからもしばらくの間燃え続けるので、そろそろ終わりとなったら新しい薪をくべるのはやめましょう。

そして、暖炉の空気穴を閉じます(Zの位置)。実は、空気穴を閉じても火がすぐに消えるわけではありません。逆に、炭が燃えるのに必要な酸素はわずかですし、冷たい空気が入らなくなることで、長く燃え続けます。

扉付きの暖炉でしたら、この状態でその場を離れても問題はもうないはずです。でも、一酸化炭素中毒を避けるためにも、部屋に新鮮な空気は入れておきましょうね。

暖炉の掃除

翌日、暖炉が十分に冷えてから掃除をします。灰を落とし、受け皿に落ちた灰を捨てます。燃え残った炭は集めて次回使います。木の燃焼を助けてくれますよ。

おわりに

以上の情報で、たぶん暖炉は使えるようになると思いますが、疑問点などありましたら遠慮なくご質問くださいね。

暖炉の登録の話や詳細な暖炉のお手入れなど、書ききれなかった話もありますので、いずれ続きを書く予定です!




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